やっぱりsummicron 50mm 1st Rigidを買ってしまった|迷いと満足の理由

買ってしまった。
ずっと迷っていたsummicron 50mm 1st Rigidをついに手に入れた。

性能で考えれば、もっと新しくて便利な選択肢はいくらでもあった。しかも1年ほど前には、summilux 50mm 1stを購入したばかりでもある。今回は、オールドレンズに惹かれ続けてきたこれまでの迷いと、実際に使ってみて感じている静かな満足感について、整理してみます。

オールドレンズに悩み続けてきたこれまで

これまでも何度か、性能だけでは説明できない理由でオールドレンズに憧れてきました。
欲しいと思っては理由を探し、合理性を持ち出しては引き戻し、また気になってしまう。その往復の末に、ようやく手元に来ました。

レンズスペックの進化だけを求めるならば、Apo 35やNoctilux 35など、界隈を賑わせるMレンズの発表は続いています。現代技術の進化に追従することは、道具マニアとしては魅力的だけれども、写真表現の幅や実力という点でも、素人の私には宝の持ち腐れかもしれない。欲しい気持ちは山々だけど。

そんな中、技術の進化とは逆行する形で、僕は時間をまとった道具に惹かれていました。

レンズが過ごしてきた年月の歴史に自らが組み込まれていくような感覚─というと大袈裟ですが、自分の人生を、長い時間の潮流に織り交ぜていきたい、そんな感覚を得たのです。

これには、きっと生活のリズムが変わったことに加え、我が子の誕生が一因として大きく関係しています。世代の移り変わりを目の前で体験していることや、自らの人生がいつか閉じることを想定した時に、

“技術が更新され続ける今生において、どんなカメラとレンズで生涯の記録を残そうか“
この想いがいつの間にか大きくなっていきました。

summicron 50mm 1st に惹かれた理由

特にビジュアルに惚れました。

前段で歴史や人生など大層なことを述べておいて何なのですが、やはり外せないのは外観。レンズ本体の重さと金属の質感。動かしたときの確かな手応え。summilux 1stとは違い、くびれのある佇まいの鏡胴にレンズがギュッと詰まった感触にも惹かれました。

描写の点で買い足しを判断した理由としては、
・Leicaを使うならばズミクロン系統も試しておきたかったこと。
・summiluxのオールドな味わいも素晴らしいものの、開放では少しくど過ぎるように感じる場面があったこと。
が挙げられます。

正直に言えば、最短1mという仕様や、現代レンズのような絶対的なシャープネスを求めるなら、他に合理的な選択肢はいくらでもあります。それでもなお、このレンズを手元に置いておきたいと思えたかどうか。私の場合、判断の分かれ目はそこにありました。

初めに使ってみた感想としては、よく写る道具であり、場面を選ばず長く付き合えそうな道具。消費するものではなく、時間とともに馴染んでいくものとしての存在感がありました。

・・・

そして最後に、これが最も影響が大きいのですが、家族の遺品の中からIROOAを譲り受けたから、というのが理由です。(IROOAはsummicron 50mmやsummaron 35mmなどに使用されるレンズフードのこと)

年齢も50歳ほど離れた親族で、直接の交流もなかったために定かではないものの、当時の物価やカメラ・レンズの趣味性、購入の頻度という点で考えれば、きっと世代を跨いで使われる続ける道具だったはず。レンズは遺っていなかったけれども、それでも巡り巡って私の手のなかに、さらに子が誕生した時に譲り受けたというのは、何か運命的なものも感じざるを得ませんでした。

このレンズと過ごしたい日常の風景

撮りたいのは、特別な瞬間ではありません。生活の中に埋もれてしまいそうな風景こそ、残しておきたいと感じています。

夕方の光が伸びるスーパーの帰り道。洗濯物が揺れるベランダ。子どもと戯れる何でもない時間。

最短撮影距離も1mのため、少し離れた場所から家族の生活を見守るような気持ちで、主張する写りではなく、生活に溶け込む距離感で撮影したいと思います。summicron 50mmは、そうした場面に静かに寄り添ってくれそうです。

いつか我が子やその先の家族が、遺った写真や機材を見たときに、
“この人は、人生や家族とどんな暮らしをしていたのか”そんな考えを惹起してくれたら嬉しいですね。

バースイヤーカメラやレンズを購入される方々も、きっとこんな想いが深化した到達地点にいらっしゃるのかな、と思っています。

効率と感覚のあいだで道具を選ぶということ

もちろん、このレンズが誰にとっても最適だとは思っていません。軽快さや近接撮影の自由度を重視する人にとっては、少し扱いづらさを感じる場面もあるはずです。

それでも、撮影体験そのものの手触りや、道具と長く付き合う感覚に価値を感じる人にとっては、今でも十分に選ぶ理由のある一本だと感じています。

道具の新機能や新技術には、たびたび心踊らされますが、次の新製品が出たらまたそれを追い求める沼にハマってしまいます。僕自身も、最新製品を前に、今ある持ち物に満足できなくなったり、最新版が手に入るまで悶々とした気分になるものです。

それならば、一旦最新製品を追い求めることをストップしてみても良いのではないかと。

自身の能力や新機材購入の余裕が貯まるまでは、しばらくこのレンズと過ごしながら、また迷い、考え、撮っていこうと思います。

Summilux 50mm 1st所有者目線で見たsummicron 50mm 1stのリアルな立ち位置

正直なところSummilux 50mm 1stを持っている状態で、summicron 50mm 1st Rigidを追加する意味があるのかは、購入前かなり悩みました。スペック上は単に「F1.4とF2の違い」に見えるし、焦点距離も同一。使い分けが曖昧になる可能性は十分にあるかもな、と。

今では2本を持ち出せる環境にあるため、しばし使用経験を積んでからレビューしたいと思います。
Summilux 50mm 1stの購入記事はこちら


このブログ「KOMADORE」では、写真や暮らしの体験をもとに、日々の気づきや選択について記録しています。

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この記事を書いた人

医歯薬系の大学院修士課程を修了後、現在はヘルスケア企業にて勤務しています。
植物と熱帯魚を愛でる生活に勤しみながら、写真も撮っています。
このブログではカメラファインダー小窓からのぞいた素晴らしい日常について、想いを綴っています。