プリントされた写真を最後にもらったのは、どのくらい前だろう。
写真展や写真家さんのイベントに足を運ぶ機会が多かったこの冬、私はふとそんな疑問を抱きました。
スマートフォンの普及により、皆がカメラマンになったこの社会で、世界で1日に取られる写真の枚数は50億枚を超えると試算されています。そこでは、データ転送やSNSでの共有などで簡単に相互確認ができるようになった一方、誰かから形ある写真をもらう機会は大きく減ったように思います。
だからこそ逆説的に、写真を形にして残せる「プリントフォト」を贈ってみるのはどうだろう。
大切な家族や友人への贈り物でも良いし、お気に入りの一枚を自分自身にプレゼントして飾ってみるのアリだな。
そこで今回は、人生の祝福の場面にこそ、撮影した本人だけが贈ることのできる“プリント写真“を渡してみませんかと提案します。
ストレージの写真は数あれど、心に残り続ける写真はどれだけあるだろう
スマートフォンやクラウドサービスの発展により、私たちは日常的に写真を撮影し、データとして保存しています。しかし写真撮影や共有が劇的に便利になった一方で、それらのデータの中で「特別な写真」はどれほどあるでしょうか?もちろんそのどれもが大切な写真には変わりないのですが、その多くが埋もれてしまっているのではないでしょうか。
例えば友人や会社のメンバーとの集まりの後や、同窓会・結婚式の後を想定してみましょう。
画像データは皆で共有し、SNSに掲載することはあっても、抜粋して一部の写真を保存するだけで全てを見返すことはほとんど無いですよね。まして共有の場にアップロードできる画像サイズにも限界があることから、圧縮されて荒い写真になっていたり、保存期間が過ぎてしまっていて、保存し損ねてしまうこともありますよね。
一方で、物理的な写真は手に取れる形で残ることから、保存し損ねることはありませんし、好きなプリント紙・額縁に飾って保管することが容易です。保管する場所をどうするかって?
自宅玄関の靴箱の上や、お手洗いのちょっとした棚など、ポストカードを置きがちなスペースにも写真の居場所がありましたよね。(デジタル写真出会っても物理的なデジタルアルバムやサイネージ式の額縁の存在はありますが、簡便に配置できない点が残念です)
2020年代においても、インスタントカメラで撮影した写真を交換しあう学生がいたり、フォルムカメラでの撮影と現像がカメラ業界を賑わせている現状を見るに、写真を形にして共有することは、いつの時代も人の交流のワンシーンとして残るのだろうと思われます。
PHOTOPRIサービスで実際に印刷を発注する
今回、私が利用したのはPHOTOPRIさんの写真プリントサービスです。
写真家さんの個展で使用されていた印刷紙“ハーネミューレ フォトラグ バライタ”に惹かれ、本紙を用いて少数からオンデマンド印刷できるサービスを探してたどり着きました。PRではないため簡単に概要を記載しますので、詳細は公式HPより確認くださいね。
PHOTOPRIさんでは他にも、光沢紙からマット紙、和紙やキャンバス地を選択して注文可能です。サイズの希望も細かく調整可能で、写真立てサイズから大判のプリント以上まで実現できるようです。
今回私は、昨年挙式した友人に式の写真を送るべく、撮影した画像のJPEGファイルを用いて六切サイズ(203×254 cm)で注文してみます。
とはいえ初めてのオンデマンド印刷、わからないことだらけです。
<注文までの懸念点>
1. 写真アップロードの方法やファイル形式の指定
2. サイズ・紙質の選択(今回は用紙が決まっているのでOK)
3. レイアウト調整方法(余白やトリミングなどをどの程度調整できるのか)
4. 納期や到着後の商品状態
結論として、これらの懸念に対して初心者でも簡便かつ満足にサービスを受けられましたので、順を追って説明します。項目番号見出しには、今回私が選定したものを記載しています。
1. 写真アップロードの方法やファイル形式の指定: JPEG
注文時にサイト上で直接アップロードが可能。容量の大きいファイルの場合にも、別途ギガファイル便を用いる方法があります。jpeg,png,pdfなど馴染みあるファイル形式が利用できて安心です。
用紙サイズに応じて推奨画素数があるため、必要な画素数を担保してファイルを準備しましょう。
(六切サイズの場合は750万画素程度が通説のよう)
2. サイズ・紙質の選択: ハーネミューレ フォトラグ バライタ 六切(203×254) [¥2,220]
規定サイズから選ぶことも、カスタマイズして細かく指定することも可能。
私はマット窓(額縁の中の内窓のような紙)も設け、額縁(四切り)>マット紙>写真(六切り)とレイアウトしました。額縁ぴったりに写真を配置しない場合は、マット窓があることで見栄えが良い仕上がりになります。
3. レイアウト調整方法: サンプルを元に複数回調整可能(重要!)
プリント紙そのものの外周余白や、マット紙のサイズおよび位置決めと余白を自分でカスタマイズできます。
とはいえ素人の私は何が適切かわからない…。
余白のミリ数が大きすぎると写真の印象が変わってしまわないか。
不適切な調整により、サイズがアンバランスだったりマット紙で見切れてしまわないか。
──けれども心配いりませんでした。
「プリント前にレイアウト確認」を選択しておけば、事前に担当者さんからプリント見本のPDFを送付いただけます。下の画像は相談の際のメールですが、額縁やマット紙で隠れる部分を赤線・緑線などで表示した状態で、代案や修正の提案をもらえます。文面で出来上がりの印象やイメージを伝えることでも、提案を汲み取ったかたちで調整できたことが心強かったですね。
※都合によりプリントの上部のみトリミングしたものを載せていますが、実際にはプリント全体を見ながら相談できます。


色合いだけは現物を確認できない都合上、お任せすることとなります。
印刷見本のトライアル販売も実施していたため、写真と用紙を選択して事前に色を確認しておくとさらに万全ですね。
以上までで無事に入稿完了です。
4. 納期や到着後の商品状態: 発注から約2週間で到着
入金とレイアウト調整を終えた日から起算して、2週間で到着しました。
今回は額縁も追加で注文しており、すでに額縁にプリント写真が収まった状態で納品されました。
額装本体の箱のほか、外装にもう一重の段ボールで梱包されており、安心の梱包でした。
プリント本体も、写真展で見た通りの質感・色合いを再現できて大満足です。


終わりに
今回初めて写真プリントに挑戦した経過を記載してきました。
ハードル高く感じたレイアウト調整も、複数回のアドバイスをもらいながら設定することができて満足しています。納期や価格の都合から、日常的に数十枚印刷というのは難しいものの、家族や友人の祝いのイベントなどのここぞという場面には利用したいサービスでした。
祝いの品として百貨店で手に入る物品も嬉しいですが、オーダーメイドの贈り物、とりわけ写真というのも特別感があって素敵だと思うんです。
だからこそ、人生の祝福の場面には、自分だけが贈ることのできる“プリント写真“を贈ってみませんか。
・・・
将来的には個人で作成した写真集をオフセット印刷したり、個展開催のために作品をプリントする夢も膨らみますね。
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